『瀕死の白鳥物語8』

バレエ入門 三浦雅士 を読みながら谷桃子先生を語る。  

谷桃子というバレリーナを説明する時にどんな本を参考に説明しようか、と考えた。舞台上で舞うバレリーナを見に劇場に行く時の私は、片思いの相手を見に行くような気持ちになる。観客のスタンディングオベーションに応えお辞儀をする往年のプリマバレリーナの姿を見るために、谷桃子バレエ団公演を見続けたバレエファンだった。

「まるで片思いの相手ですが、それもまたバレエの魅力です」(三浦雅士著バレエ入門)

私は谷桃子先生の写真を見ては、がんばってバレエを学んでいた。「ジゼル」を踊られた写真の中の谷先生は、結婚式の花嫁のように見えたものだった。

この章で少しでも谷桃子先生について知っていただければ幸いです。

 

「バレエ入門」には「ジゼル」についてこう書かれている。

「ジゼル」はハイリッヒ・ハイネのスラブ民族の紹介に想を得たと言えます。ハイネの文章は「流刑の神々」という表題のもとに邦訳も刊行されていますが、踊りの好きな女の子が結婚を前にして死ぬと、天国に行ききれずに幽霊となって、夜な夜な現れては森のなかで踊り狂い、たまたま通りかかった若者を餌食にして、死に至るまで踊らせるという。

 

谷先生は1974年の「ジゼル」で舞台を引退された。私は1984年から谷桃子バレエ団の上演する「ジゼル」の公演は幾度となく観にいった。ジゼルは妖精というより幽霊なので冷たいイメージがあるが、愛の力でアルブレヒトの命を助ける。日本で言えば菩薩様のような部分も持っているのではないかと解釈した。

小林進著「バレリーナ 谷桃子物語」にはジゼルに取り組む谷桃子ついてこう書かれている。

「能面のイメージで踊ってみたいの。」「ジゼル役で自分の芸を確立できるかもしれない。」

「バレエ入門」には、「ダンスは人を無我夢中にさせます。」と。もし谷先生のジゼルを劇場で観ていたら、私自身もジゼルを踊ってみたいと思ったかもしれないが、私の場合は谷先生の「瀕死の白鳥」の写真に憧れ、谷先生の指導で「瀕死の白鳥」を踊った。

「バレエ入門」の中に「舞踊は人間の生と死にかかわるもの」と。「ジゼル」というバレエ作品も「瀕死の白鳥」も生と死を表現した作品だ。

 

「瀕死の白鳥」では、わずかな時間で生と死が表現されている。

私は妊娠中毒症になり、母子ともに危険な状態での出産を経験した。生と死を自ら経験し、JUNバレエスクールを開設してからの私は、骨髄バンク推進運動のチャリティーコンサート「命のつどい」で「瀕死の白鳥」を10年間踊り続けた。渡邊順子の「瀕死の白鳥」の原点は谷桃子先生の指導あっての「瀕死の白鳥」だと思っている。

谷桃子先生から指導を受けている私

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジゼルと言えば谷桃子 谷桃子と言えばジゼル」

私にとって憧れ続けたプリマバレリーナでした。

谷桃子先生のジゼルの写真

 

 

 

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